Q1.風邪の基本的な治療はどうすれば良いのですか?
A.風邪の治療の原則は、安静、保温、十分な睡眠です。感冒薬はあくまでも対症療法です。食欲があれば食事は通常通りで構いませんが、食欲がなければ無理に食べないほうが良いでしょう。からだは、消化管を休ませることで免疫力を上げようとしているのです。眠い時、だるい時に休まないと悪化する可能性があります。風邪のひき始め、すなわちだるい、眠い、寒気がする程度の時には、安静、保温、十分な睡眠、そして葛根湯やビタミンCなどの服用によって早く治すことができます。ただし、いつもの風邪と症状が違う、もしくは症状が長引いている場合は風邪以外の可能性もありますのでかならず受診してください。
Q2.風邪をひいたのですが、風邪薬をのまなければいけないのでしょうか?
A.風邪薬による治療は、症状を軽くする治療、つまり対症療法です。あくまでも補助的なものです。副作用の危険もありますので、のまなくても構いません。服用するにしても数日間にとどめ、安易な使用やだらだら飲み続けるのは危険です。
Q3.風邪に抗生物質は必要ですか?
A.風邪の90%はウイルスによるものです。その種類は200種類以上といわれ、冬の風邪はRSウイルス、コロナウイルス、レオウイルスなど、夏風邪はアデノウイルス、ポリオウイルス、コクサッキーA型・B型、エコーウイルスなどが原因です。風邪のほとんどがウイルス感染ですので、抗生物質は無効です。抗生剤が必要なのは、細菌感染の合併を疑った時(黄色い鼻汁や黄色の痰が多い場合など)、細菌感染を合併しやすい基礎疾患を有する場合 、医師が必要だと判断した場合 などです。安易な抗生剤の使用は、耐性菌(抗生物質が効かない菌)の増加につながります。
Q4.熱が出ているのですが、解熱剤の使い方を教えてください。
A.風邪の時に熱が出るのは、体の防衛反応で、ウイルスを排除するために熱を上げているのです。38.5℃以上に熱が上がった時に免疫のスイッチが入るといわれています。よって、熱が高いからといってかならずしも解熱剤を使う必要はありません。一般に、40度以上の発熱でなければ、発熱自体が体に悪影響を及ぼすことはありません。37℃台の時に安易に解熱剤を使用することは、風邪を長引かせる可能性があります。解熱剤を使うのは、痛みのために食事や水分が充分摂取できない場合、発熱のために体力の消耗が著しいと考えられる場合、医師が必要だと判断した場合などです。5日以上熱が続いている場合は、風邪ではないかもしれません。かならず受診してください。
Q5.インフルエンザと風邪はどう違うのですか?
A.一般にインフルエンザは突然38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状で発症しますが、普通のかぜと同様にのどの痛み、鼻汁などの症状も見られことが多いようです。風邪より重症感が強く、気管支炎、肺炎などを併発することがあります。とくに、高齢者や、呼吸器や心臓などに慢性の病気を持つ人は重症化し、死亡することもありますので、早めに医療機関を受診することが大切です。
Q6.インフルエンザを疑った時にはどうしたら良いでしょうか?
A.すぐに医療機関を受診してください。発症2日以内ですとよく効く抗ウイルス薬を処方することが出来ます。3日以上たった場合は、通常の対症療法しか望めません。
Q7.インフルエンザ発症後の注意について教えてください。
A.家で安静、保温、十分な睡眠をとるようにしてください。食事は食欲がなければ少しで構いません(そのほうが免疫力が高くなります)。熱が下がれば食欲が出てきます。仕事は熱が下がって3日後くらいからなら可能です。
Q8.解熱剤は使ってもよいのですか?
A.熱はウイルスを排除するための防御反応です。無理に下げることは好ましくありません。しかし、頭痛や関節痛などがつらい時は、多少の使用は構いません。ただし、アスピリンなどのサリチル酸解熱鎮痛薬、ジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレン)、メフェナム酸(商品名:ポンタール)は避けなければなりません。脳症などの致死的合併症をおこす可能性があるからです。最初の1~2日は薬を使っても熱は下がらないかもしれませんが、体力の低下が著しい場合などを除き、無理に下げる必要はありません
Q9.内視鏡検査の費用はどのくらいかかるのですか?
A.保険が適応されますので、自己負担割合によって異なってきますが、3割負担の方ですと、胃カメラ 約4,000円、病理検査 約4,000円、大腸カメラ 約4,800円となります。これ以外に初診料や処方箋代、薬代などが必要となります。
Q10.胃・十二指腸潰瘍とはどういった症状でしょうか?
A.健康な胃では、胃壁は粘液を分泌して自分自身を胃液から守っています。しかし、遺産が過剰に分泌されたり、抵抗力が弱まると、胃や十二指腸の内壁を自分で消化してしまい、そこに潰瘍ができます。最近ではヘリコバクター・ピロリ菌が有力な原因の一つであると言われています。ピロリ菌の感染経路は、はっきりとは解明されていませんが、幼少時の主に口を介した感染が考えられています。
Q11.胃・十二指腸潰瘍の診断はどのように行うのですか?
A.一般に問診、視診、聴打診、触診に始まり、上部消化管(食道、胃、十二指腸)の内視鏡検査、X線検査などがあります。びらんや浅い潰瘍は内視鏡検査のほうが詳しく観察できます。最近の内視鏡は以前に比べ大変細くて柔らかく飲みやすくなっています。
Q12.最近排便の時に血が混ざります。大腸検査は必要でしょうか?また何科に行けばよろしいでしょうか?
A.排便時に出血する病気として腸の病気と肛門の病気が考えられます。いわゆる痔(ぢ)を痛いものだと思っている方が多いのですが、痔には内痔核と外痔核というものがあり、内痔核は肛門の奥にできる為に痛みはあまり伴いません。便がこすれる事により浮腫みが強くなり出血するようになります。また、硬い便をした後や、強くりきんだ後に肛門粘膜が裂けると、いわゆる切れ痔(裂肛)となります。「痔かな?」と思っていても排便時の出血があった場合は大腸検査をお勧めします。
Q13.大腸がんはどんな症状がでますか?
A.大腸がんの自覚症状は、早期がんではまったく症状がありません。大腸内視鏡検を行なわなければ、発見することはできません。血便、便が細くなる(便柱細少)、残便感、腹痛、下痢と便秘の繰り返しなど排便に関する症状がでたら、進行がんの症状ですので、早期に専門医を受診することをおすすめします。特に血便は痔と勘違いして受診が遅れることもありますので注意しましょう。
Q14.ジオン療法をされていますか?
A.当院でもジオンでの痔核硬化療法を行っています。
Q15.ジオン治療法は比較的新しいものと聞いておりますが、従来の切除する方法に比べデメリットはあるのでしょうか?
A.欠点としては長期経過での効果に問題があるようで、1年程度で再び脱出する例が報告されております。手術とジオン療法のどちらがその患者さんに適しているかは医師が診察することで決定されます。